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執筆者の写真halfmoonjourney 小川

長くいるからこそできるデザインもある



僕はフリーランスを始めてから既に10年経過しているのですが、今の仕事のやり方は「業務委託で契約を受ける。在宅でも先方の会社で仕事をするでもどちらでも良い」を基本にしています。このやり方は結構メリットがあるのですが、その辺の説明をすると長くなってしまうので今回は割愛、タイトルのお話をします。

少し前まで僕はみんなが思うであろうフリーランスの形というか、広告代理店のように「仕事を受けて打ち合わせをして、締切までにデザイン作成。その後数回の修正を経て仕事完了」というやり方をしていました。このやり方はデザイン業界ではかなりポピュラーなやり方なので疑問に思うこともなくやっていたのですが、今の形になってタイトルの「クライアントの会社に一定以上の時間いるからこそできるデザインもある」なぁと思うようになりました。

先述した広告代理店のようなやり方だとデザイン提出の締切があるので、どうしても時間に合わせる必要が生じてきます。また、大概デザインするサービスや商品とも初めて関わるとか2、3回目の仕事だとか、関わりが薄くなりがちなので商品の本質を理解してデザインを作るのが難しいなぁと思います。もちろんその都度デザイナーは本気で取り組むのですが、商品理解度はどうしても追いついていかないと感じています。


それに対して業務委託で受けて、クライアント企業に常駐の形だと製品開発や営業などさまざまな情報が取れるので商品理解度が飛躍的に高いこと、納得できない場合は掛け合って締切を伸ばしてもらえることなど、特にメインビジュアル制作においてはこちらの方がかなり良い影響を与えると思っています。


そして業務委託で長くいると、もっと商品にフィットしたビジュアルを思いついた場合は変更の提案ができること、商品自体が改良されたり、時代や商品環境が変わった場合はそれに合わせてビジュアル変更も可能な点など、デザインのコントロールも容易なので、ひょんなことから始まった業務委託での仕事のやり方ですが、デザイン面のみ見るとこちらの方がデザインが商品に寄り添う形としてより良い形になっているのではないかと思います。

昨今webの進化に伴ってSNSや自社ECの運営でデザイナーを雇う企業が増えていますが、商品とデザインの関係としては良い方向に進んでいるのではないかと思います。ただ、デザイナーのデザイン力ではやはりデザイン事務所が上手いので、この辺り今後融合していくようになれば、日本全体のデザイン力が今より高くなるのではないかと期待してます。(今でも日本のデザイン力ってかなり高いと多いますが。)

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