
よくクライアント様と仲良くなると「デザイン費ってけっこう高い。」や「何が高いのかわからない。」と言った疑問をお聞きします。まぁ、実際に制作現場にいないと、アイデアやデザイン(というかここでは絵を描くだけの作業)は原価もかからないので安くできるイメージがあるのではないかと思います。
なので今回はデザイン費がなんで高いのか? について書こうと思います。
高い理由1:
会社なので人件費とか家賃とか諸経費が発生してる。
仕事なので当たり前ですね。チラシ1枚片面のデザインを例えば2万だったとします。
そこに一人前レベルのデザイナーが構想2時間/ラフ1時間/実制作5時間の計8時間でチラシを作ったとすると…
人件費(まぁまぁのレベルのデザイナーの場合)時給¥1,600×8時間=¥12,800 となります。
そこに事務所の家賃だとか電気代、保険にAdobeのソフト代なんかも乗っかります。
そしてなにより、まだこれは「クライアント様に提出する前の段階」なので
その後持って行って修正作業を何回か承るのでそれらの時間も考えると既に人件費だけで
デザイン費を使い切ってしまっていることになります。
高い理由2:
実はデザイナーって絵を描く仕事じゃない
世間の大半の方はデザイナーって「デザインという絵を描く職業」だと思っていますが、実際は違います。
デザイナーの描く絵は「課題解決のための考えの集約を、最終的に目に見える形にしたもの」であって
ベテランデザイナーになると「絵を描く」前の考える作業が仕事全体の6割くらい、
つまり絵を描いてる時間よりも長かったりします。
これは大体クライアント企業の情報を見たり、マーケティングのデータをわかる限り見たり、
時には現場に行って実際に体感して「今回はなにを解決したら良くなるのか?」や
「最終的なお客様に何を伝えてデザインでどうアピールすべきか?」という
そもそも「何の絵(デザイン)を描くか?」という絵を描く前の段階に時間をかけています。
これが「高い理由1」に乗っかるので、必然的に「優秀なデザイナーに頼むと高い」となっていきます。
以上が「デザイン費が高い」理由です。
世間ではデザイナー/デザイン事務所によってデザイン費が高かったり安かったりしますが、
高い場合は前述の通り、安い場合はコスト計算を合わせるために「考える」作業を全て捨てて
「絵を描く」だけの作業に特化してることが多いです。