昨日、オリンピックエンブレムの最終4候補が発表されましたね。
エンブレム委員会にプロのデザイナーでないアスリートが入ったり、
一般にも公募になったりと、個人的には正直、めちゃくちゃにならないか心配だったんですが
きっちり良い物を出してきた印象があります。
さすが!政府。押さえるべきところはちゃんと押さえてすごい!というのが正直な感想です。
それでA〜Dまでの4候補なんですが、どれも「オリンピックらしく」「伝えたいこともある」
クオリティの高いものになっているので、どれが決定してもいいなと思いました。
確かに前回のエンブレムよりどれも良いなと思えるし、
国民審査の段階にどれがなっても支障がないものを揃えるあたり、
やはり政府?エンブレム委員会?どっちかわかりませんが
本気だすとスゴいな!と思いました。
さて、ここからは僕個人の各エンブレムについての感想を述べていきたいと思います。
(批評家みたいですいません。本当は僕もプレイヤーとして参加するのが一番なのですが…。)
【A案】 市松模様モチーフ
市松模様でオリンピックを表現。チェッカー柄でオリンピックを表現しようと考えたあたり、
骨太すぎるコンセプト選定、表現力、実行力を感じます。
僕はチェッカー柄でオリンピックを表現しようなんて大それたこと考えられない(思いもつかない)ので
「(難しいことでも)やってやるぜ!」というデザイナーの「ワンピースで海賊王を狙う」のと
同じくらいの気概を感じずにはいられません。
【B案】 輪
個人的にはこれが1番見た目としては好きです。輪が日本国旗の日の丸と選手の躍動感を表現した
ものではないかと。デザインも無理なくまとまっているし、オリンピックカラーも使って
パッと見で「センスの良さ」と「オリンピックらしさ」が感じ取れるので
エンブレムとして良いのではないかと思いました。
また、パラリンピックへの展開もステキです。
【C案】 風神雷神
琳派の俵屋宗達の風神雷神をモチーフに据えるあたり、僕は80年代の暴走族のバイクを思い出してしまいました。笑
ヤンキーの人って風神雷神とか昇り龍とか和のモチーフ好きですよね。(よくジャージに書いてある)
さて、話を本題に戻しますが風神雷神といういかにも「日本的」で「争いが好きそうな神のふたり」を
モチーフに使うあたりに「日本のオリンピック」を強く意識しているのではないかということがうかがえます。
ただ、デザインの説明に俵屋宗達の名を出す時点で、かなり日本に寄ったデザインを考えているなあという印象です。
客観的に見て、風神雷神がどこまで外国の人に伝わるかを考えると、
もう少し日本からオリンピックという華々しい大会への印象や
競技の躍動感に意識が寄ってもいいのではないかと思いました。
【D案】 朝顔
これもかなり好きです。というか日本のオリンピックということを考えると、先程Bが見た目は1番好きと書きましたが
この案が1番ふさわしい気がしてます。モチーフがスポーツとまったく関係ない花ですが
色遣いやレイアウトのバランス、下のTOKYO2020との組み合わせで「オリンピックエンブレムという顔」に見せる
技術も好きです。
また、これがWEBやら動画やら会場までの導線やらで展開される際にどう動くデザインにするのかも気になります。
やっぱり植物だし「生える」ような動きになるんでしょうか。
さて、各エンブレムに関して僕が思ったことを書いてきましたが、個人的な順番ではBかDかなぁという印象です。
ただ、最初にも書いたとおりクオリティは4案とも高いので、結局どれがなってもよいと思います。
そして今回、特筆に値するのはエンブレム委員会のトップにいるクリエイティブディレクターの存在だと思います。
デザイナーばかり注目を集めそうですが、国民審査をにらんで最終候補に「どれがエンブレムになってもいい。」
ものを揃えるあたり、かなり実力の高い方がいるのではないかと考えいます。
なんにしろオリンピックエンブレム問題、クオリティが充分に保持されたものに決まりそうで
少なからずデザインに関わる者としては嬉しい限りです。
↓東京2020大会エンブレム のサイトです。(4案とも見れます。)↓
https://tokyo2020.jp/jp/games/emblem/evaluation/