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執筆者の写真halfmoonjourney 小川

デザインってビジネスで役に立つの?グラフィックデザイナーが効果の出るデザインのあり方を説明します。


「それ、意味あんの?」デザインというと心の中でこう思われてる方、結構いるように思います。

そこで現役のグラフィックデザイナーである僕が思う、効果の出るデザインのあり方を書いてみます。

1.デザインを使って「いきなり大人気になってめちゃくちゃ売れる。」はほぼありません。

デザインにあまり関わったことのない中小企業の方がよくこう思われてますが、実際かなり難しい話です。いきなりめちゃくちゃ売れる前に、そもそも良い製品だったら最初からそこそこ売れてるわけで…。現実的にはうまくいく場合も徐々に認知度が上がっていくとかそんな感じが多いように感じています。デザインを取り入れるなら中期的に考えてほしくて、毎月とか商品発売の度にとか継続的にデザインを取り入れて効果が出る感じです。わかりやすく言うと特効薬と言うより漢方薬といった感じですね。ただ、例外もあって「良い商品なんだけど、今までうまくターゲット層に認知されてなかった」みたいな場合はデザインの力でどーんといく場合もあります。稀なケースですが…。あとテレビCMなんかだと割とどーんといきますが、これはデザインの力というよりも全国放送で認知度が急激に上がる媒体力なのでちょっとこれは違うかなと。

2.デザインは感性やセンスではありません。マーケティングです。

「デザインはセンスがないとダメだ」と思われてる方がいますが、センスがなくても大丈夫。むしろデザインの打ち合わせにセンスを持ち出されると非常に厄介です。それよりもマーケティングを一生懸命やって欲しいと思っています。デザインを考えるプロセスってマーケティングに似ています。まずターゲットがいて、その人達の行動や興味を調べどうやったら刺さるアプローチをできるか考えていく。僕は「デザインはマーケティングの見える化ですよ」とお伝えしていて、マーケティングが出した答えを見える化してパッと一瞬で伝わるように絵を作って広く伝えていくものがデザインだと思ってます。このプロセスならもし広告がダメだった場合でもマーケティングに問題があったのか、デザイン表現が悪かったのか、問題を切り離して考えることができるため次回以降の施策が良くなるようにできます。デザインは誰でも理解できるものなのです。ちなみに「打ち合わせにセンスを持ち出されると非常に厄介」の理由は、センスは人それぞれに好みの隔たりが多く答えがないからです。みんなバラバラの考えを持って(しかもみんな自分のセンスが一番だと思ってる)会議で一つの方向性を出す。無理ですよね…。センスではなくマーケティングによる打ち合わせをオススメします。

3.物によってデザインを取り入れたほうがいいところ、そこまでじゃないところ、あります。

個人的に思うのはイベント開催、パッケージデザイン、自社のブランディングは特にデザイン取り入れた方が良いと思います。

(イベント開催)

少しでも予算があるならやりましょう。たまに見かけますが素人がパワポで作ったチラシ。行ってみようと思いますか?チラシ見て何やってるかすぐわかりましたか?難しいと思います。どんなに一生懸命イベントをやってもチラシのしょぼさから「イベントもしょぼいんだろうな」と連想されてしまいます。大事なイベントならデザイナーにきちんと作ってもらいましょう。

(パッケージデザイン)

大手企業に負けちゃうんです…。コンビニに行くとわかりますがどの商品もきちんとパッケージデザインされていて、素人が作ったようなデザインは見かけないはずです。大手は多額のデザイン費を投入しています。つまり(コンビニでなくても)商品販売の時点で自社商品の隣に置かれるのは大手のデザインされた商品の可能性があります。その時パッケージを素人が作ったようなものだと「あっ、しょぼい。小さな会社が作ってそう」と思われて敬遠されます。価格も同じ、品質は自社の方が良いとわかっていても手に取って使ってもらえないと良さって伝わりません。勝負する前に勝負に負けることになります。

(ブランディング)

あくまで実体験の感覚ベースですがじんわり良くなる印象があります。前に企業のロゴとか名刺とか看板とか封筒とか、デザインし直してブランディングやりましたが、結果として会社内外から「良くなったね」と好印象がついた記憶があります。外の効果としては名刺交換で「おしゃれな企業ですね」と言われるようになったり、会社近くのコンビニ店員から「あの会社最近洗練されましたね」と言われたり、意外にみんな見てるんだなぁという感じです。企業内部の影響としては社員が若干自分の会社に自信が持てるようになった気がします。取引先に資料を渡すクリアファイルとか送付する封筒とか、きちんとデザインしましたので大体の会社よりは良い物なんですね。そうするとお渡しする時若干自慢の気持ちが混じっているというか。こういうことの連続が自社に誇りを持てることにつながっていくのかと感じました。この「好印象」がビジネス的にどの程度良いものなのか数字に表すことは僕にはできませんけども、通常の取引においても、商品説明においても、採用においても有利になると思います。

4.媒体もかなり大事です。

デザイン以外にも媒体選定をかなり大事にして欲しいです。ターゲットにきちんとアプローチできるかどうか媒体によってかなり差があるのでこちらも慎重に。また、媒体費は高くつくことが多いので間違えると「あちゃー」感がかなり強いというか笑えない結果に…。

以上、僕が思う、効果の出るデザインのあり方でした。デザイン頼もうかな、どうしようかなとお考えの方、一回くらい頼んでみてもいいかもしれませんよ。一度使ってみると自社がどうデザインと付き合っていけばいいかピンと来る方結構多いです。


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