中小企業や個人の方が「HPを作ろう」「チラシを作ろう」と思い立って人に頼む場合、頼み先としてまずクラウドソーシングの利用が候補にあがると思います。発注した事のない「デザイン」という未知の商品に対して、安くてネットで気軽に依頼できるため利用しやすさはダントツです。頼んだ方も相当多いと思いますが、出来上がったきたデザインに納得されたでしょうか？実はデザインに納得されてない方もいると思います。周りにも「安かろう・悪かろう」で認識している方が結構多く、個人的にもそのように認識しています。
そして僕はデザイナーという職業をやっているので、原因がどこにあるのかよくわかります。今回はその原因と、ではどうやったらデザインレベルの高いデザインを依頼できるのかを書いていきます。
デザインが良くなかった原因2つ
（原因1） 制作側はデザイナーとして誰でも登録できる。
まずはこれです。クラウドソーシングのサービスだと名前などの個人情報と過去に作った実績さえ載せれれば誰でもデザイナー登録できるので「デザイナーです」と言いながら、実は全然デザイナーではない人が名乗ってることが多いです。多分サービス全体で1番多いのがこの部類です。大体は主婦、学生、全然関係ない職業だけどデザイナーになりたい人、地方で仕事ないけど小遣い稼ぎしたいおじさんとか…、こういう方達が「デザイナー」登録している人の大半だと思います。
まぁ…、そもそもプロではないですから良いデザインできなくても仕方ないですよね…。
では本来頼もうと思っていたデザイナーはどこにいるのかというと…
（原因2）プロのデザイナーはクラウドソーシングに登録しない
基本的にちゃんとしたデザイナーはクラウドソーシングにいません。理由は価格の低さにあります。パンフレット1万とかチラシ5千円とかで発注依頼かけてますが、パンフレットもチラシもその単価では仕事になりません。制作→修正→入稿のデザイン制作工程を1〜2時間でできる訳ないです。最初の制作だけでもちゃんと作ろうとすれば相当な時間がかかるので、その部分だけでもかなり赤字になります。正直これなら勤めているデザイン制作会社で働いた方が全然いいのでプロは「や〜めた」となります。そうなると残るのは「いつかは自分もデザイナーになってちゃんと稼ぐんだ」と思っている素人の方か、1時間で全部終わらせようと考えてデザインのコピペや指示通りのものを作成して一切デザイン性を発揮しないことによって時間の帳尻合わせをする方が残ることになります。
ちなみにプロのデザイナーがいても価格帯をかなり高めに設定している方か、もしくはデザイン制作会社の新人デザイナーが自分でも仕事してみたいと思って登録するケースです。ただ、このケースはすぐに異常な価格の低さと発注側のリテラシーの低さに気づいて2〜3回も仕事すれば辞めるケースがほとんどです。
ではどうやったらレベルの高いデザインを依頼できるのかというと…、もう少しお金を出しましょう！
すいません、他にも色々言い方あるかと思いましたがストレートに言いました。
結局これです。これしかないです。デザインの制作が1〜2万でできるわけないんです。クラウドソーシングなどのサービスを提供している会社は制作をせずに手数料だけもらう形にして効率を高めているから成立しているわけです。そしてそのしわ寄せはデザイナーが食うことで成り立っているサービスなんです。
デザイナーはこの価格帯で生きていくことはできません。だからプロのデザイナーがいないわけです。
よって、もう少しお金を出しましょう！そうしたらかなりレベルの高いデザインに会う可能性もぐーんと広がります。デザインの世界は奥深いのでそうなると本当の専門性を垣間見れることも出てくると思います。デザイナーの僕がいうのもなんですが、それは割と素敵な体験のように思えます。だから是非渾身の商品やサービスなんかがある場合は、一度デザインにお金をかけて見るのも悪くないと思っています。
※ちなみに僕もデザイン作ってるのでご依頼頂けた場合は小躍りしてかなりがんばります！
