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  • 執筆者の写真halfmoonjourney 小川

デザインの「センス」の正体をデザイナーの僕なりに推察してみました。


世の中の通説として不思議に思うのが「センス(もしくは才能)があるからデザインできる」と思われている謎の感覚です。美術にも似たような感覚を日本中が持っている気がするのですが、デザインやって早10数年の僕としては、この通説がさっぱりわかりません。センスや才能ではないと思うのです…。


そもそも「デザインはセンス」と思われだしたのはいつ頃か?

僕の考えうる限り、「デザインは才能」みたいな考えが出てきたのって岡本太郎の活躍なんじゃないかと考えています。(あくまで僕の予想であり、真偽はわからないので世間話くらいにお聴きください)岡本太郎は「芸術は爆発だ」の言葉で有名で、破天荒な行動、ダイナミックな作品で相当インパクトがあって尚かつ当時の「アーティストと言えば」の代表格だったんじゃないかなぁと思います。この方を見れば「あっ、絵を描くって普通の人じゃ無理だ。特別な感覚やセンスの持ち主がやる職業だろう。」と思われても納得がいきます。岡本太郎の活躍した時代に僕は生まれてないのでなんともわかりませんが、この感覚を今現在まで引き継いでいるのではないかという気がします。



デザイナー間で「センス」はどうみられているか。

打って変わってデザイン事務所やデザイナー間でこの「センスがあるからデザインできる」はどう思われているかというと「センス(もしくは才能)はあったらいいけど、別になくてもデザインできるよね。」が大体の考え方のように思います。

よく新卒の新人がデザイン事務所に入ってきて「僕センスあるんで!」とか言っちゃうんですが、これ言っちゃうと100%鼻で笑われます。笑われるどころか、こういうこと言っちゃう時点で「あっ、この人センスないんだな」とわかっちゃうんですよね。

本当にデザインわかってる人間なら「センスの有無」が必要ないことを悟っているのでこういうことはまず言いません。それよりもまず職人的基礎を身につけると一人前のデザイナーとしてきちんとしたデザインができるようになる。そこまでの工程にセンスは必要ありませんよ、ということです。



ここで本題。

さて、ここで今日の本題です。タイトル通りデザインは緻密なマーケティングで成果が出ることについて書いていきたいと思います。僕はデザインというのは「デザイン事務所で教わるデザイン基礎」と「マーケティング能力」で決まってくると考えています。

(確かに「才能」という要素もあるのですが、前述した通りデザイナーになるために才能は必要ないこと、才能の評価を全然世間ができていないこと、大体10万人に1人とか100万人に1人の才能を本気で探していたら日本にデザイナーって5人くらいしかいないんじゃない?っていうそもそも論など、書けば長くなるしツッコミどころも多いので今回は割愛します。)

基本的には「デザイン事務所で教わるデザイン基礎」はデザイナー、

「マーケティング能力」はマーケターや経営企画の人、

がこの能力を持っていますが、結局のところ「マーケターの人が緻密に分析した精度の高いマーケティングデータを元に、デザイナーがそれに沿ったデザインをビジュアル化する」ことが現代のデザインのほぼ全てと言ってもいいように思ってます。僕はそう思ってデザインを作っています。

みんなが「デザインはセンス(才能)」と思っていた物の根源は実は「マーケティング」です。これがないとどんなに技術力のあるデザイナーも受け入れられるデザインって作れないです。その証拠に現在活躍して大御所になっているデザイナーも、若い頃は自分が活躍するためにどうすればいいか?を考えて戦略的に実行しています。これもマーケティングですよね。結局のところ大衆に受け入れられて「素晴らしい」と言われるためにはどうしても事前調査が必要になってきます。そういうことをすっ飛ばして最後のデザインという「いい感じのまとめ」しか見ないので、良し悪しの判別不能で見たことも触ったこともない「センスや才能」といった言葉のブラックボックスに詰め込まれるのでよくわからないものになるんだと思います。


企業広告部のみなさま、「センス」で判断することなかれ。それはあなたの好みの問題になってることが9割です。

デザイナー志望のみなさま、夢を壊してごめんなさい。でも「自分はセンスがある」と驕ることなかれ。鼻で笑われています。

デザインは「会社の中の普通の仕事の一つ」という認識で大丈夫です。むしろそういう仕事です。

デザインよりもマーケティングを見ていけば良いデザインができやすいですよ!

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