天然水の新商品である「晴れと水」(キリン)のパッケージを見てびっくりしました。
天然水のパッケージというのは、その水が採水される「山」をモチーフにした
パッケージが多いと思っていました。
なんで「山」モチーフが多いかというと、その水が自然の雄大な山から
流れてきているものを飲んでいるんですよという
いわゆる「シズル感(美味しそうな表現のこと)」を表現して
購入してもらう要因にしていた会社が多いと思っていたからです。
また、そういう理由で他の水と差別化しないと、蛇口をひねれば無料で出てくる水道水と
100円以上出して購入してもらわなければならない天然水の購入要因にならないからです。
そういった山から自然の水を汲んできたイメージを作ることによって、
「水」を買っているんじゃなくて「健康」を買っているんですよというイメージですね。
それで問題の「晴れと水」ですが、なんとパッケージが水の流れの表現である
流れる線だけで表現しています。
先程のシズル感である「山」は一切入っておらず、「晴れと水」というテキスト(フォント)と
線だけのパッケージとなっています。
個人的にかなり挑戦的なデザインにびっくりしました。
クライアントのキリンもよくOK出したなと言う感じですが、
デザイン会社はこのテイストだとたぶんドラフトだろうなと思っています。
(世界のキッチンからシリーズのデザインをやった名門デザイン会社です)
ポスターやweb、CMのビジュアルは小松菜奈という、若者に人気の芸能人を使って
大きな花を持たせたり、男性を出したりしていることから、
今までの天然水の「自然の水で健康に良い」イメージから
「ライフスタイル」や飲むと気分が変わる「イメージ戦略」に寄せたものだと思うんですが
なんにしろ若者に受け入れられて、新しい定番になれるかどうか今からわくわくします。
お茶や水などの定番品で、新しいポジションを獲得できたら「伊右衛門」以来の気がします。
気概のある新商品、これからの動向が楽しみです。