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執筆者の写真halfmoonjourney 小川

ギフトに見るデザインの効用


友達や同僚の間で贈るプチギフト(¥1,000くらいのちょっとした物)の売り上げが伸びてきているようです。お歳暮やお中元などの慣習として続く正式なギフト品は下がっているのですが、プチギフト市場は需要があるようです。

プチギフト、僕も時々クライアント企業の担当者へちょっとしたお土産として買って行ったりしてますが、言われてみれば確かに年に何回も買っています。

担当者本人に渡すので一人分の量で、パッケージが安すぎないorかわいらしいもの、そしてできれば美味しそうな物を基準に選んでいます。

ギフトというか贈答品に関して毎回思うのですが、デザイン的観点から見ると「デザイン絶対必要!」な分野だなぁと思います。なぜかというと「人様に贈る物」ですから、渡した方に「いい物をくれた」とほぼ確実に思ってもらわないといけない宿命を背負った商品だからです。

どんなに美味しくても安っぽいプラスチックに入って輪ゴムしただけの質素な包みだと「えっ、贈り物なのにだいぶ安そう…。」と思われてはギフトの役目としては失敗です。

そういったパッケージが許されるのは「本格派で有名で美味しいという評判がすでにみんなに伝わっている老舗」だけです。

この点に関しては他にも価格帯が中級以上の商品や、初見で理解が難しい物、イメージで売る商品(ジュエリーとかアパレルとかワインとか嗜好品全般)なんかもデザイン必須だと思っていて、要するに「商品価値そのものにたどり着く前にワンクッションありそうな商品」はデザインの出番だと思っています。

ここでギフトであれば美味しさの前に「良いものくれた感」、

価格が高い物であれば「高級感」、

初見で理解が難しいのは「使った後にどうなっているかの効用、もしくは理解しやすくなるイラストなどを添える」、

イメージで売るのであれば「伝えたいイメージの体現」。

これがないと「買う!」理由の最後の一押しとならず、「なんか良いものっぽい気がするんだけど

よくわからない」となったり、そもそも理解してもらえず購入検討の中に入らなかったり、一番よくあるのは、既にその買う理由を説明したパッケージデザインをしている競合他社の物が選ばれるということです。

日本は長らく「良い物を作れば売れる」神話を信じてきた時代が長いように思いますが、良い物こそきっちりその良さを説明しなければ悔しい思いをする時代に突入したように思います。

時々売り場の隅に置いてあるすごく地味な商品が「なにこれ、超便利!」的な物もあり、そういう商品こそ広告やデザインに目を向けて欲しいと思っています。


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