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  • 執筆者の写真halfmoonjourney 小川

UIってコンポーネントがあれば簡単にできる!ではない

昨今デザイナーがいなくてもUIを利用できるUIコンポーネントライブラリが結構ありますが、「これがあればUIデザイン簡単に素早くできる!」と思われてる方もいらっしゃるので知っておいて欲しいと思って書いてます。正直、UIって結構調整が必要な場面多いです…。


僕も今年までベンチャー企業様でUIに関わらせていただいていたので、作ってた際によく思ってたのですが、UIのコンポーネントが1度できたからと言って、それでなんでもできるようになる場面ってありませんでした。単純にどうしても組み合わせが変とか、機能的に合わないとか気になる箇所がいっぱいあって、下層ページ1つ取っても調整する場面が多かったです。


純粋にコンポーネントからデザインをポンポン組んでいくだけだと、どうしても変な間ができたり、理解しづらいページも出てきて、UIUX的におかしいページが多くできる印象です。UIって使いやすさ・利用しやすさの追求なので、自分がユーザーとして使ってる場合は気にも留めないページが多くあると思うのですが、それってUIデザイナーが「頭を使わなくても自然と操作が理解できる」という、UIの目的を達成した、そこそこレベルの高いページデザインだったりします。つまり「普通に見えるUI」って作るの簡単じゃないんです…。

細かな調整であしらいやアイコン、テキストを遷移含めて調整してるので自然に操作できるページに仕立ててる訳で、何も考えずにコンポーネントを使用するだけだと不自然な箇所がたくさん出てきます。これがいくつか重なるとUX的には致命的になっていくわけで、「UIコンポーネントがあればデザインはできる!」とは簡単には考えないでほしいと思ってます。



また、コンポーネントの使用だけだとUIの発展性がなくなるのも痛いと思っています。どういうことかというと、UIデザイナーがUIを作る場合、そのアプリやサービスに合ったUIを作るわけですが、1度UIを作った後もユーザーの遷移率や使いやすさをみながらUIを調整したり、より世界観に合うアイコンを見つけたらそっちを使用するなど、コンポーネント作成後もそれを進化させ続け、よりアプリにフィットしたもの、より操作性が良いものへとUIを進化させ続けるのが魅力的です。


これがデザイナー不在のUIコンポーネントライブラリ使用だと、一度UIを作ったらずっとそのままになってしまうので、発展性がないのが痛いところです。個人的な経験として、全く0からアプリやサービスを立ち上げる場合、最初に作ったUIは後から改善されるコンポーネントやページがとても多いです。

理由はデザイナーでも最初から全てのデザインがわかるわけではないこと、実際に作ってみて遷移含めて利用することで真の操作性が見えてくること、世界観も全体が見通せて初めてわかる部分もあることなどです。

こういった理由もあるので、「最初からUIコンポーネントを使えば間違いない」は個人的にはあまり好みではありません。それよりも「作っていくうちに、使っていくうちに本当の姿が見えてくる」という考え方の方が現実に近いと思うので、そういうふうに考えてデザインしています。


UIコンポーネントライブラリ、とても便利ですが「これ1つでデザインは完璧」ではないことを知っておいて欲しいと思います。

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