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  • 執筆者の写真halfmoonjourney 小川

目立つ広告は売れない、根強い「目立てば売れる神話」


よく制作会社内で広告を作る際に「もっとシンプルに」という言葉が使われることが多いのですが

これはそのまま「シンプルなデザインのほうが良いですよ」という意味です。

で、これをデザイナー以外の方に話すと「見た目がシンプルなほうがいい」

と思われがちなのですが、これはちょっと話が違います。

ではなにがシンプルなのがいいのか?

それは「アイデアの表現の仕方がシンプルなほうがいいですよ」ということです。

つまり表現の出し方がシンプルなほうがいいと。

どういうことかというと、デザインで企業の言いたいことをお客様に伝えるにあたって

表現の仕方が複雑だとその意図を理解できる人数が減ってきます。

複雑になっている分、理解するのが難しいんです。

逆にこれがシンプルだと少し言い方が悪いですが「単純」なので

誰にでもわかりやすくなります。だって単純だから。

特にマス広告なんかだと「強く太く」とも言われますが、

これも「単純な表現で多くの人に伝わるよう設計されたものは強い」という意味です。

ということでデザインはお寿司屋さんのごとく素材(企業の広告で伝えたいこと)を

一瞬で見極めて、さっと切って握ってさっと出すことが美しいデザインだと言われます。

ただ、これはあくまでデザイン制作会社や広告代理店の中だけで言われている話で

一般企業ではこれと逆のことがおこなわれていることが多い印象があります。

シンプルの逆、つまり派手にしろと。

修正対応なんかでよくこの指示をいただくのですが、「目立てば見る」理論が今だに理解できません…。

よく言うのですが「目立てば見る」の理論がその通りならば

皆派手なパチンコの広告を見たら「目立ってる!」と思ってパチンコ行くのではないですか?

とお聞きします。

また、ドン・キホーテの派手な広告を見ても同じく「目立ってる!」と思って

皆買い物はドン・キホーテでされますよね?と。

実際違うわけです。派手なパチンコの広告を見て皆パチンコへ行く訳ではないし、

普段の買い物だって「目立ってるから」が理由で皆ドン・キホーテで買い物してる

なんてこともあり得ません。

皆自分が「欲しいもの」を買うんです。

まずはその訴求。「こういうのが欲しかったんですよね、その便利な商品ありますよ」という

認知ができて「欲しい」と思わせてから初めて「目立つ」ことが活きてくる。

そこを商品認知の広告や企業広告、ブランド力アップのために打つ広告なんかと区別つけずに

全部一緒にして「目立たせて」なんて言い出すから、

下品で押し付けがましくて「つまり何が言いたいの?」と思わせる広告が出来上がる。

実際けっこうあります。本当にデザイン費と媒体費がもったいない。

広告に関わる者としていい加減とりあえず「目立たせて」というのはそろそろやめたほうが

いいと思います。良くなるどころか大抵の場合症状が悪化してます。


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