top of page
  • 執筆者の写真halfmoonjourney 小川

最近の雑感とデザインが「面白いもの」であることを忘れたUI


こんにちは。東京・埼玉の中小企業様向けにホームページやパンフレットなどのデザイン制作をしてますHalf Moon Journeyです。

今週ずっとアプリのUI制作と展示会用のビジュアル制作していて、久しぶりにデザインをずっと作っていた気がします。気温的にも今週からいきなり寒くなって、体調も若干悪い中締め切りに終われる感じがありました。


さて、今回はビジュアル作成の仕方について改めて考えようと思います。

昨今デザインと言えばWebとなり、紙媒体系のデザイン制作技術を知っている人が少しずつ減っていってるなぁという感じがあります。元々デザインと言えば課題→アイデア・コンセプト→デザイン の流れで作っていくもので、この流れに紙もwebもないはずなのですが、webはペルソナの考えに沿ってカスタマージャーニーを考える導線設計や、検索キーワードから流入を目指すSEO設計、わかりやすい使い方を設計するUIなどが主たる考え方になっており、アイデアやコンセプト表現は割と置き去りにされている感があります。


というか若いwebしか経験のないデザイナーや経営者達は「紙のデザイン?古いっすね。」の一言でまるで過去の使えなくなった技術みたいにいう事も多いのですが、実は今後のwebやアプリデザインの発展には「アイデア・コンセプトのデザイン表現」がちょっと絡んでくると考えています。



なぜそう思うかというと、AdobeのBehance(デザイナーが自分のデザインを発表できるピンタレストみたいなサイト。主に海外勢が多く日本人はあまりいない。)でレベルの高いアプリUIを見ていると、必ずアイデア表現のデザインが入って、パッと見で「面白いなぁ」と思うものが多いからです。アイデア表現のデザインが先に来て、その後に使い勝手のUIが入ってる。アプリ自体を使う事が「面白い」と思ってもらえる構造にしておいて、きちんとUIの使い易さも考えられてる。僕はアプリUIデザインの未来はこうなるんじゃないかと見てて、そのうち日本でもアイデア重視のデザインが出てくるのではないかと思ってます。


今の日本のUIは海外テンプレートそのままだったり、googleのUIガイドラインだけに沿って作った似たようなものだったり、一発当たったBtoCアプリの真似だったり(toC向けなので大体1ページ当たりの情報量が少なくパッパッと次のページにいけるタイプのもの。)が多いように思います。Webで海外テンプレートが流行り出した時に思ったのですが、自分でUIを作る人が少ないせいで、「考える力」がないデザイナーが増えた気がしてます。デザイナーの考える力は「そのまま新しいデザインを生み出す力」なので、ここ10年で日本のデザイナーのレベルは下がったのではないかと懸念してます。Webの技術が進んだことにより皆便利になったはずで、知識も増えたはずなのに国内デザインのレベルが下がるとは皮肉な話です。


テンプレートだけでデザイン作りましたみたいなUI作ってるくせに、「自分はアプリUI作ってるから世界最先端のデザイン作ってる。」と考えてる若手UIデザイナーに「あんた古いんだよ」と言われた事もあるのですが、流石にこの時は閉口してしまいました。デザインパッと見でもやばい、明らかにデザインの基礎も知らない作り方してる、ていうかデザインになってねぇしみたいな色々な考えが浮かんでかなりイライラしたんですが、実感としてこういう人は最近多い印象です。


他にも一発当たったBtoCのアプリの真似は結構やばいと思ってて、当たった国内アプリのデザインを「標準」みたいに考えるのは良くないなぁと。ペルソナや顧客単価、ビジネスとしての難しさなどはアプリによってかなり違うはずで、ものによっては理解してもらうために絶対情報量が多くなるアプリや、toBだと信頼性を重視したデザイン、UIのみに振り切るデザインなど出てくるはずなのですが、一発当たったBtoCに合わせちゃう。いや、それ同じじゃダメでしょ。重いテーマなのに「1ページ2行くらいのデザインで軽くいきましょう」とはならんでしょう、みたいなものもあって、やはり前述した「自分でUI作らない人」が増えた影響なのかなぁと思います。


結局のところ、UIだUXだという考えも落ち着いてきましたし、次に来るのは人の興味を惹いたり、アプリ自体を使う事を面白いと思ってもらえるアイデア表現が少し来るのではないかと思ってます。いずれにしろグラフィックレコーディングだとかデザイン経営だとか一過性の流行りではなく、もう少しきちんと勉強になるものがいいなと思ってます。

閲覧数:10回
bottom of page